胃腸の健康状態は普段の食事によってダイレクトに影響してしまうことを、前章でご紹介しました。
胃腸に良い食事とは何かということも、前章でご説明しています。ではその逆に胃腸を弱体化させてしまう食事とはなんなのか。
すこし話がそれますが、現代の日本は、飽食の時代と言われ、季節・産地 問わず なんでも簡単に手に入ってしまいます。インターネットでも新鮮な野菜や魚介類が購入できてしまう時代なんですね。
そんな飽食日本で起きているのが、自然の摂理に合わない不自然な食生活です。例えば、トマトやきゅうりは、夏に旬をむかえますので、八百屋さんに並ぶのは7月〜9月頃なんです。しかし、現代では、科学的な大量生産が進んでいて、一年中店頭に並んでいます。これは自然の摂理からすれば、不自然なことなんです。
もっと極端に例えると、インドと日本の気候は全く異なりますよね。食文化もぜんぜん違います。本場のインドカレーは、本来であれば、インド以外では食べればかったはずですが、これも現代の日本では、毎日でも食べることができます。
「なんでそれが胃腸に良くないのか?」という声聞こえてきそうなのでご説明します。
気候に合わないとは、何かというと、人間の身体は、その土地の気候に合わせて体温がコントロールされています。夏には夏に適合できるように、冬には冬に適合できるように 自動的に身体が調整してくれているんです。この体温の調節に影響を与えるのが、もちろん普段の食事です。
気候に合っていない食材を取り続けると、体温が下がり、胃腸の血流がわるくなります。胃腸の血流が悪くなれば、当然胃酸の分泌・腸の運動も緩慢になります。つまり 胃腸の弱体化につながることになります。
各食材がどのように身体に影響を与えるのでしょうか。下図をご覧下さい。
| 特徴 |
名称 |
身体への影響 |
| 夏に旬をむかえる野菜 |
トマト |
体温を下げる▼ |
| 夏に旬をむかえる野菜 |
きゅうり |
体温を下げる▼ |
| 寒冷な気候で育つ |
かぼちゃ |
体温を上げる▲ |
| 温かい気候の土地が原産 |
バナナ |
体温を下げる▼ |
| 温かい気候の土地が原産 |
パイナップル |
体温を下げる▼ |
| 比較的寒冷な土地が原産 |
りんご |
比較的体温を下げる力が弱い▽ |
| 比較的寒冷な土地で生産 |
塩分の濃い漬物 |
体温を上げる▲ |
| 温かい国の料理 |
カレー |
体温を下げる▼ |
| 寒い国の料理 |
ボルシチ |
体温を上げる▲ |
| 原料が温かい国で育つ |
砂糖(砂糖きび) |
体温を下げる▼ |
寒い気候の土地で古来より多用されてきた、
温かい国では比較的つかわれない。 |
塩 |
体温を上げる▲ |
トマトは夏の暑い季節に収穫されます。これは自然の不思議なんですが、夏の暑い時期に取れる野菜を食べると、体温が下がり、寒い冬に収穫される野菜を食べると 体温が上がるんです。また温かい国で取れる果物も体温を下げますし、温かい国が原産のものも同じく、体温を下げる性質を持ちます。なぜこんなに食べる側(人間)の都合に良い感じで、植物が育つのかは、大自然の不思議なんで、そのメカニズムは知る由もありません。
夏にトマトを食べれば、暑い夏の気候に負けないように、体温の調節ができて健康的です。胃腸にも影響しません。しかし、寒い冬にトマトをたくさん食べれば、体温は下がり、胃腸にも悪影響がでてきます。前章でもご説明しましたが、胃腸は普段の食生活が最も影響が出やすい臓器なんです。
■食材の影響 まとめ
食材の影響をおよそ まとめてみると 下図の様になるでしょう。
特徴 |
身体への影響 |
| 夏に旬をむかえる野菜 |
体温を下げる▼ |
| 温かい気候の土地が原産 |
体温を下げる▼ |
| 温かい国の料理 |
体温を下げる▼ |
| 秋・冬に旬をむかえる野菜 |
体温を上げる▲ |
| 寒冷な気候で育つ |
体温を上げる▲ |
| 寒い国の料理 |
体温を上げる▲ |
| 甘いモノ |
体温を下げる▼ |
| 香辛料の辛さ ※1 |
体温を下げる▼ |
| 塩辛いモノ |
体温を上げる▲ |
| 冷たい飲み物 ※2 |
体温を下げる▼ |
※1 香辛料の辛さ が体温を下げる のには 疑問を感じる方がいらっしゃると思います。
世界中の食文化をみてみると、気候が一年中 暖かく温暖な気候の国では スパイス(香辛料)をふんだん に使った料理が発展しています。例えば、インドでは、カレーに限らずどんな料理にも、スパイスを使って味をつけます。そのかわり、塩はあまり使わないんです。また チリ などでも 唐辛子などのスパイスをたくさん使います。 これらは 暑い気候に順応させる為に、体温を下げるスパイスを使うんですね。
実は本格インドカレーを食べた後は、一時 カッ!となって身体が熱くなるんですが、その後、スーーッと涼しくなるんです。
※2 冷たい飲み物は、体温を下げる のは当然ですね。
これは 性質というよりも、「冷たい」という、物理的な刺激によって胃腸の血管が収縮してしまうので、体温・胃腸の血流が悪くなるです。
冷たいモノを食べ過ぎると、下痢をする方は 血管の収縮による 消化不良が原因なのです。
胃腸が弱体化してしまったら、基本は温かい飲食物を食べることですね。
前章でもご説明しましたが、胃腸が弱体化した方は
●温かい料理を食べる。
●タンパク質を多めに摂る。
●塩分を控えない。
これは 身体を冷やす食材の摂取・不自然な食事を極力減らした上での 食事療法だと理解してください。
胃腸に限らず、身体の不調を訴える方は、身体に負担のかかることを、かなりしているのです。
健康にとって プラス因子を増やすことよりも、マイナス因子を減らす 努力をしましょう。
そして、食事の影響はプラス因子よりも、マイナス因子の方が強力である ので注意が必要です。
胃腸が弱体化してしまった方は 身体を冷やす・胃腸を冷やす 食材はできるだけ避けること です。
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